3月最初の日曜日の今日は久しぶりにカキを持って釣りに行ったが,
出せるような釣果がないので釣り日記はなし。
ちなみに,行ったのは大島と大三島。
最初,大島・余所国港で2時間ほど竿を出した。
アイナメ狙いだったがたぶんコブダイの方が多いと思って,3千円くらいの
安物のエギング竿にスピニングリール,ハリス5号の仕掛けを使った。
最初は全然当たりがなく,1時間半ほどしてようやく当たったが根ずれでバラシ。
それからしばらくして二度目の当たりがあり,大きく合わせたところで「バキッ!」と
竿が折れてしまった。これで撤収せざるをえなくなり,帰りに大三島・宮浦へ寄った。
ここで1時間ほど釣ったが,20cmちょっとのアイナメ1匹だけ。
見物に来た地元の人とずっとしゃべっていた。
そろそろ瀬戸田からのチヌの便りが届くと思うので,今月後半ごろには名荷へ行きたい。
先日の広島の新サッカー場のニュースには驚いたが,同時にスカッとした。
http://mainichi.jp/articles/20160304/ddl/k34/010/600000c
この毎日新聞のサイトには,こういう記事が載っている。
二つの候補地に絞られた広島市内でのサッカースタジアム建設について、
J1・サンフレッチェ広島の久保允誉会長は3日、「旧市民球場跡地」(中区)
での独自のスタジアム建設案を発表し、建設地が「広島みなと公園」(南区)
になった場合はチームの本拠地として使用しないことを明言した。
スタジアム建設を巡っては、2013年1月に県サッカー協会やサンフレなどが
早期建設を求める署名約37万筆を県と市などに提出。その後、官民でつくる
検討協議会が旧市民球場跡地(約3・9ヘクタール)と広島みなと公園(約10
ヘクタール)に候補地を絞り込み、県、市、広島商工会議所の作業部会が
両候補地での建設の実現性を検討している。湯崎英彦知事、松井一実市長、
深山英樹・広島商工会議所会頭は、三者会談を今月中に開き、判断する方針だった。
3日、中区のホテルで記者会見した久保会長は、建設地がみなと公園に決まった場合、
本拠地移転に伴う営業利益が最大年間4・7億円の赤字になると見込み、
「球団として採算が取れない」として、現在のエディオンスタジアム広島(安佐南区)を
継続利用する考えを示した。
また、この日示した球場跡地でのスタジアム建設案は、収容人数2万5000人、
整備費140億円と試算。作業部会が試算した収容人数3万人、約260億円の
整備費に対し、「2万5000人規模ならば費用は抑えられ、国際試合も開催できる」
と説明した。整備費も県や市の補助金は使わず、メインスポンサーで自らが会長兼
社長を務める家電量販大手「エディオン」の拠出金や企業・個人からの寄付金などで
賄うとしている。
久保会長は「スタジアムの検討協議会後、利用者への聞き取りがなく、やむにやまれず
このタイミングで会見を開いた」と話し、「広島の今後の発展に貢献しうるスタジアムに
なる」と述べた。
◇
3日夜、報道陣の取材に応じた湯崎知事は「検討はサンフレや県サッカー協会の
要望を受けて始めたもの。スタジアムを使わないということであれば、少し困惑して
いる」と述べた。みなと公園の赤字試算については「前提に誤解がある」と指摘、
サンフレ側とよく話し合いたいとした。
また松井市長もサンフレ側の「聞き取りがなかった」との指摘に、「検討協の
提言を受けて作業部会を設けており、チームの意見も十分に踏まえた」とし、
「作業部会でサンフレの関係者とも話しながら検討を進め、3月末までに一定の
方向性を出したい」と話し、検討期限を変えない方針を示した。
広島商工会議所の深山会頭は「球場跡地を前提としたもので、みなと公園に
建設された場合は使用されないという発言に驚いている」とのコメントを出した。
これまでの議論の経緯は,もはやどうでもいい。
市民球場跡地が国有地であるとか,サッカー専用スタジアムは稼動日数が少なすぎるとか,
原爆ドームに近すぎるとか,いろいろと課題はあるだろう。
しかし久保社長の今回の発言によって,「新サッカー場を市民球場跡地に作る」ことが
事実上決定したと言っていいだろう。ポイントは2つある。
@最有力候補だった「広島みなと公園」の可能性は完全に消滅した。
A「新サッカー場そのものをどこにも作らない」という方針変更もまず不可能だ。
@については,「作っても使わない」とサンフレの代表者が発言している以上,作る意味がない。
Aについては,仮に県や市がそういう提案をしても,それには大義名分がない。
そもそも今回の「宇品(みなと公園)VS紙屋町(市民球場跡地)」の選択で宇品が優位に
立った理由は,実質的には「経費が安くて済む」の1点に尽きると言っていいだろう。
しかし今回のサンフレの独自案では,県や市の補助金は一切使わないと言っている。
つまり,県や市が「紙屋町案」を拒絶するための最大の理由がなくなった。
それでも宇品案にこだわるなら,市民から必ずこういう批判が出るはずだ。
「宇品案は税金の支出を伴う。紙屋町案は税金の支出がゼロだ。
また,サンフレだけでなくファンの多くも紙屋町案を支持するだろう。
集客施設が中心部にできれば経済の活性化も見込める。
市民にとってはいいことづくめであり,紙屋町案を拒否する理由はない。」
話を戻すと,「新サッカー場をどこにも作らない」という案を県や市が提出しても,
「税金を一銭も使わずに,みんなが喜ぶ施設が中心部にできるのだったら,
なぜその建設案を拒否するのか?」という素朴な疑問が当然出るだろう。
しかし,県や市がそれでも「新サッカー場の建設計画は中止する」と言い出す
可能性はゼロではない。その理由は,面子の問題だ。
特に湯崎知事は,今回の久保社長の発言で面子がつぶれた格好になった。
この件に関する知事の手法は,鞆の架橋問題のときと同じだった。
関係者を集めて協議の場を設け,一定の合意を形成した上で次のステップへ進む。
オーソドックスで合理的なやり方であり,鞆のときはそれが成功した。
しかし今回は,積み上げた議論を根底からひっくり返すような提案がサンフレ側から
出てきてしまった。これを飲むことは,自分の仕事の進め方,もっと言えば自分の
アイデンティティを否定されるに等しい。それを湯崎知事が甘受するかどうか。
しかし考えてみると,かつて鞆の架橋推進派の人々は,湯崎知事に「はしごを外された」。
今回は逆に,久保社長がはしごを外し,湯崎知事の側が(ある意味で)被害者になったわけだ。
因果は巡る,ということか。
しかし,一県民として言わせてもらえば,今回の久保社長の発言には拍手を送りたい。
この人が急病で倒れたりしない限り,「市民球場跡地にサッカー場を作る」という
新しい方針はもう決まりだ。それがいいことか悪いことかは,賛否両論があるだろう。
それでも,不利な形勢を1日でひっくり返した今回のサンフレの発表には,サッカーで
言えば0−2からの逆転試合を見るような爽快感を覚えた。