この週末は,町内の秋祭りがあった。
松永中学校近くの石鎚神社から柳津町の潮崎神社へ,松永町の各地区の山車(だんじり)が町内を回る。
潮崎神社はその名のとおり海の水が入っている入り川に面していて,このあたりは台風や高潮で道路が浸水することが多い。
今は羽原川河口に潮止め用の水門ができていて,高潮時には閉じられる。
きのうの土曜日は,天気予報では雨マークが出ていたが終日曇り空で,だんじりの掛け声が時々仕事場へも聞こえてきた。
昼間は左の写真のように各地区のだんじり(全部で10台くらい)が町内をねり歩く。
夕方から順番に潮崎神社へ集結して,パフォーマンスを行う。
きのうはこれを見るために北広島から上の娘夫婦が夕方来た。ムコさんはだんじり自体を見るのが初めてだそうだ。
7時半ごろまで見物した後,高諸神社近くの自然食バイキング「露庵」で食事。
今日の日曜日はムコさんを釣りに連れて行ってやろうと思ったが,あいにく朝から雨が降っているので,
とりあえず昼まで様子を見ることにして,今(午前9時ごろ)これを書いている。
そう言えば先週,ムコさんが山陰へイカ釣りに行って,小型のイカ(たぶんヤリイカ)を10数匹持ってきた。
刺身・大根とイカの煮物・野菜とイカの炒め物などにして食べた(余った分は冷凍)。もちろんどれも美味かった。
中に何匹か胴をかじられたイカが混じっていたので,マダイとかタチウオとかが寄ってきたのだろう。
イカと一緒に,クーラーにこんな魚が入っていた。当日船頭さんが釣ったのをもらったという。
この魚が何なのかよくわからない。イサキの仲間だろうとは思うが…誰か知ってたら教えてください。味はよかったです。
で,考えてみると今日は,おめでたいかどうかわからんが,61歳の誕生日だった。
仕事やプライベートで同年代の人と話をすると,とにかく病気の話が多い。
人の話を聞いていると,自分は平均以上に健康かなと思う。
日本人男性の平均寿命は80歳だが,健康寿命の平均は71歳だという。
せめてそのくらいまでは大きな病気はしたくないが,こればっかりはなあ。
この間ピロリ菌の検査を初めて受けたが,陰性で安心した。
施設に入った父は,とりあえず生活はしているが,自力で歩くのはもう無理だろう。
食事もドロドロの流動食のようなものなので,味気ないと思う。
しかし90歳を過ぎるまで健康寿命を保ったわけだし,今は施設のスタッフに親切に介護してもらっている。
働き盛りのとき右手を失ったのは大きなハンディだったが,その代償として労災年金が入るので生活には困らない。
プラスもマイナスもあったが,トータルで見たら(あくまで今のところだが)悪い人生じゃなかっただろうと思う。
自分も最後にそう言えるようでありたいが,まだ先は長いしな。
最近は本をめったに買わなくなった。買うのは文春とかの総合週刊誌かマンガくらいで,小説はまず読まない。
ちょっと人気のある小説は映画化されるので,映画で見りゃええか,と思う。
大ベストセラーになった「火花」は,小説は読んでないが映画は見に行こうと思う。
で映画の話をちょっとすると,例年映画は20本くらい見る。今年は以下の映画を(順に)見た。(※は洋画,☆はアニメ)
新・ミナミの帝王
/ ※ザ・コンサルタント / ※マグニフィセント・セブン /
破門 ふたりのヤクビョーガミ
※ドクター・ストレンジ
/ 相棒 劇場版IV / サバイバルファミリー /
※ラ・ラ・ランド / ※キングコング
※ゴースト・イン・ザ・シェル
/ ☆名探偵コナン / ※ワイルドスピード / ☆ひるね姫 / 追憶 /
ラストコップ
ちょっと今から仕事やめてくる
/ ☆夜は短し歩けよ乙女 / 22年目の告白 / 忍びの国
☆夜明け告げるルーのうた
/ ☆打ち上げ花火下から見るか横から見るか / トリガール
関ヶ原
/ ※ダンケルク / 亜人 / 三度目の殺人
こうやって並べると26本ある。例年より増えたのは,高齢者割引を使って1,100円で見られるようになったからだ。
(しかし福山のコロナのサービス,特に入り口でチケットを確認するバイトは何とかした方がいいと思う)
で,上のうちどれが一番よかったと言うと,今年はあんまり印象に残る映画がなかった。
好みの問題なので作品としてのよしあしを言うつもりはないが,しいて挙げれば
「サバイバルファミリー」「ワイルドスピード」「忍びの国」「トリガール」「ダンケルク」「亜人」あたり。
アニメでは「夜は短し歩けよ乙女」かな。大人版クレヨンしんちゃんのようなアニメで,チャレンジ精神が感じられた。
しかし,ワーストの作品なら自信を持って言える。
つい先日見たばかりの「三度目の殺人」だ。
ネットでは絶賛している人も少なからずいるが,クリエーターとしての自分の目から見て,この作品は「やっちゃいけないこと」をしていると思う。
たとえばマンガにおいてさえ,「夢オチ」はタブーとされている。「今までの話は全部夢でした」というパターンだ。
最初から「これは夢の中の話ですよ」と断るのならいい(もっとも,そんな話に魅力はないが)。
しかし,読者に「なぜ?」「なぜ?」と多くの疑問を抱かせておいて,最後にその謎を回収しないで「夢でした」で済ませるのはアンフェアだ。
少なくとも多くの作家(小説家であれ漫画家であれ)がそう感じているからこそ,夢オチはタブーとされているのだ。表現者としての矜持,と言ってもいい。
「三度目の殺人」という映画(是枝裕和監督)は,夢オチではない。おおまかに言えばこんな話だ。
冒頭で,三隅という男(役所広司)が殺人を犯す場面が出てくる。彼の弁護を引き受けた弁護士・重盛(福山雅治)が主人公だ。
三隅は若い頃にも殺人を犯して長い間服役し,出所して仕事に就いたが,そこの社長を殺したとして再逮捕された。
その社長には娘(広瀬すず)がいる。物語は主に三隅と重盛のやりとりを中心にして進む。
三隅はずっと「自分が殺した」と言っていたが,終盤で「実は殺したのは自分ではない」と言い出す。
その時点では「娘は実の父親からレイプされており,それを救うために三隅が父親を殺した」という可能性が示唆されている。
結局三隅には死刑判決が下り,事件の真相は不明のままで映画は終わる。
この映画を見終えて最初に浮かんだ言葉は「ふざけるな!」だ。
この映画の中には伏線やメタファーらしきものがたくさん出てくる。しかしそれらは,一切回収されない。
たとえば弁護士の重盛は妻と離婚の話が進んでおり,一人娘ともうまくいっていない。
そして重盛は拘置所へ面会に行った際,三隅に自分と娘との関係を指摘される。
しかし事務所に戻って周りの人に聞いても,誰も重盛の娘のことを三隅に話してはいなかった。
では三隅は,重盛に娘がいることをなぜ知っていたのか?
― 映画の観客は当然こういう疑問を持つ。
そしてその疑問の答えは,当然映画の中に出て来るだろうと予想する。しかしその予想は裏切られる。
三隅,おまえは斉木楠雄か!
―
こういうのは,クリエーターとして「やっちゃいけないこと」だと思うんだよね。
殺人犯・三隅は,ただのサイコパスかもしれないし,実は正義感の強い人かもしれない
― という描き方をするのはOKだ。
しかし「彼には実は超能力があったのかもしれない」というところまで行ってしまったら,もう何でもありになってしまう。
たとえば推理小説のラストの謎解きで,「登場人物があのときこう言ったのはウソでした」とやるのはフェアじゃない。
フィクションというのは,そういう暗黙の了解の上に成り立っている。
それを破壊しているのがこの作品の魅力だ,と言いたい人は言えばいい。
しかしぼくは,「世の中には自分のような人間が一人くらいいてもいい」と開き直って毒を吐くような人と同じくらい,この映画が嫌いだ。
この映画を見た日の夜,気分直しにWOWWOWで録画しておいたアニメを見た。
タイトルは「魔法少女リリカルなのは
The Movie」だ(5年ぶりの新作も今年劇場公開された)。
こっちの方が,よっぽどよくできた話だと思った。子どもの頃に見ていたら映画館でわんわん泣いていただろう。
最後に,今年買った数少ない本の1つを。
『女の子が生きていくときに,覚えていてほしいこと』(西原理恵子)
高知のヤンキーだった著者が東京へ出て漫画家になり,結婚・離婚を経て2人の子を育てた体験談がつづられている。
子どもはみんな,死なない限り大人になる。世の中のほとんどの大人は,この本の内容に共感できると思う。