2000/01/04 up

◆ おせち料理(2000) ◆

HP開設を記念して,「釣った魚を使ったおせち料理」にチャレンジしよう,と決めたのが数ヶ月前。それ以来,メニューを練り,年末の釣行計画を立て,最悪の場合の代替材料を考え・・・幾多の困難を経て,曲りなりにも完成したおせち料理を,ここに公開いたします。今回は「釣って冷凍しておいた魚」は一切使わず,あくまで新鮮な素材で作ろう,としたのが間違いのもと。例年年末から正月にかけては小潮回りの悪条件となり,近場の陸釣りだと魚の食いは落ちてしまいます。結果的に,釣り上げた魚だけでは分量が足りず,市販の魚を混ぜて使うことになったのは痛恨の極み。ともあれ,ごらんください。作ったおせちは3段重ねで,一番上の段だけが釣魚を使った料理ですが,せっかくなので無関係の2・3段目も公開します。

※下の料理の多くは,NHK「今日の料理」の1999年12月号,1998年12月号を参考にして作りました。【一の重】(釣魚を使った料理)については,レシピが用意してあります。


【一の重】(釣魚を使った料理)  レシピ     

 アナゴ入りこぶ巻き アナゴのかば焼きを芯にしたこぶ巻き。アナゴが1尾しか釣れなかったので,足りない分は市販のウナギで代用。値段の高い日高コンブを使ったら,2時間煮込んでもあんまり柔らかくならなかった。味はまあまあ。
 ハゼの甘露煮 1か月前に釣ったハゼで作っておいたもの。好評でした。
 カニの茶巾蒸し カニ(量が足りなかったので,タラバガニの缶詰で代用)と魚のすり身(これは自前)をタネにして,薄焼き卵で巻いて蒸した料理。これも,かなりいい味に仕上がったので成功。
 すり身入りふくさ巻き 魚のすり身をまぜた伊達巻き。保存用にかなり甘味の強い味になっているが,女性にはおおむね好評。
 はまぐりの寿焼き はまぐりは市販品。魚のすり身にユリ根,ギンナン,蒸したはまぐりを練ったものを貝殻に盛ってオーブンで焼き上げた一品。思ったような味にはならなかったものの,まずまず好評。
 イシガニの錦寄せ 自前で調達したイシガニの身をゆで(分量が足りないのでワタリガニを若干補充),いり卵その他と混ぜて寒天で固めたもの。けっこうイケるという声もあったが,自分のイメージとはだいぶ違った味になったので,失敗。
 小メバルのマリネ 小メバルを二度揚げして,マリネ液に漬けこんだポピュラーな料理。自分では一番イメージどおりに仕上がったが,レモンスライスを入れたため苦味が出て,評判はよくなかった。

※1はアナゴ,2はハゼ,3・4・5はすり身(コブダイ・カサゴ・セイゴ),6はイシガニ,7はメバルを自前で調達。


【ニの重】(釣魚とは無関係)

 鶏肉の中華風ロール 鶏肉をたこ糸でしばってゆで,醤油ベースにニンニク・ショウガ・八角・ローリエなどを混ぜたタレに漬けこんだもの。イメージどおりに仕上がったけど,ちょっと個性的な味のためあまり評判はよくなかった。
 焼きアナゴ 実家のかあちゃんに焼いてもらったもの。
10  牛肉のしぐれ煮 牛肉とまいたけ・エリンギを甘辛く煮詰めた保存食。年越しソバにのっけて食べたら美味でした。
11  ローストビーフ 小ナベで牛かたまり肉を煮込んで作る簡単なローストビーフ。今回作った料理の中でも3本の指に入るくらい,いい味に仕上がった。
12  カズノコ カズノコは産地によって味に大きな格差があり,まずいカズノコは柔らかくて食べられない。今回はうちの実家の懇意の乾物屋さんから仕入れた上物を3日かけて塩抜きし,ショウガのせん切りと削りがつおをかけていただいた。正月はこれがないと始まらない。
13  ブリの照り焼き 関西では定番の正月料理。これも品の良し悪しの差が大きく,実家でいいブリを仕入れてもらい,ついでに焼いてもらった。
14  養老エビ これも実家の懇意の魚の卸屋さんから1kg単位で仕入れてもらったもの。1kgで23尾入っていたが,さすが活きの車エビ。本当のエビはこういう味なんだなあ,とつくづく感じさせてくれる最高の品だった。

【三の重】(釣魚とは無関係)

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 松かさくわい 福山は日本一のくわいの産地。小ぶりのものを松かさに似せて飾り切りし,素揚げにして塩と青のりをまぶしていただく。ホクホクしてさつまいものような食感。脂の温度が高すぎてちょっとこげ臭くなったのが反省点。
16  黒豆煮 本を読んだら手間がかかりそうなので,実家で作ったものを分けてもらう。こんにゃく・栗入りであっさり味。来年は自分で作ろうと思う。
17  いり鶏 鶏肉・金時にんじん・こんにゃく・たけのこ・レンコン・干ししいたけの煮物。ちょっと煮込みすぎてニンジンが柔らかくなりすぎたが,味はまあまあだった。
18  抹茶ゼリー 今回最大の失敗作。お菓子作りは慣れてないので,粉ゼラチンの溶けがわるくて完全に固まらなかった。抹茶,高かったのに〜。誰も食べてくれないので,自分で食べた。
19  栗きんとん ゆでたさつまいもを裏ごしして地道に作ったオーソドックスな栗きんとん。ちゃんとクチナシも入れました。女性陣には一番好評の料理だった。
20  たたきごぼう 米のとぎ汁でゆでたごぼうをたたいて,ゴマと酢をベースにしたたれで和えた料理。イメージ通りの味に仕上がり,評判もよかった。
21  菊花かぶ 大きなかぶを角切りにして菊の花に似せた包丁目を入れ,カブの葉っぱ,ニンジン,コンブといっしょに酢に漬けたもの。食べた人全員にほめられた,今回最高の成功作。

ちなみに,上の料理を作るのに要した時間はおよそ30時間。経費は・・・市販品だけでも3万円くらいかなあ。魚を調達するための釣りの時間を合わせると,50時間くらいかかったかも。今回の反省 --- おせち料理じたいは来年も作るにせよ,「新鮮な魚を使ったおせち料理」などという無謀なことは,二度と再び考えまい。