2013/11/10 up

大人の英文法056−準動詞の全体像 

 

不定詞・動名詞・分詞の3つを合わせて「準動詞」と言います。

たとえばeat(食べる)という動詞からは,to eat(不定詞),eating(動名詞),eating(現在分詞),

eaten(過去分詞)などの形ができます。つまり準動詞とは,動詞の活用形の一種です。

動詞の活用形の使い方は,次の2つに大別できます。

(1)V(述語動詞)として使う活用形=時制・態・法

(2)S・O・C・修飾語として使う活用形=準動詞

文を構成する要素には,S・V・O・C・修飾語の5つがあります。(→016 品詞と文の要素との関係

これらのうち「Vの活用形」が時制・態・法であり,その他の4つの要素の活用形が準動詞です。

 

上の(2)で示したとおり,準動詞はV以外の要素として次のような働きをします。

使い方の種類

文の要素

不定詞

動名詞

分詞

名詞的

S・O・C

@

A

×

形容詞的

限定用法

修飾語

B

×

C

叙述用法

C

×

×

D

副詞的

修飾語

E

×

F

上の表で×がついている箇所については,その使い方はできないということです。

たとえば分詞は名詞的には使えず,したがってS・O・Cにはなれません。

(注)分詞は,He is eating. のようにVの一部としても使います。

 

@〜Fの例を1つずつ挙げておきます。

@ I like to make sweets. (私はスイーツを作るのが好きです) 

    S V             O

A Making friends is not easy. (友だちを作るのは簡単ではない)

                 S            V      C

B This is flour [to make bread]. (これはパンを作るための小麦粉です)

C This is a car [made in Germany]. (これはドイツで作られた車です)

D I saw my mother making dinner. (母が夕食を作っているのを見た)

    S V         O              C

E I got up early [to make my lunch]. (私は弁当を作るために早起きした)

F I was in the kitchen, [making dinner].(私は台所にいて夕食を作っていた)

※[  ]内は修飾語。黄色は準動詞によって修飾される語句。

 

以上をまとめると,次のようになります。

●不定詞=名詞・形容詞・副詞の働きを持つ

●動名詞=名詞の働きを持つ

●分詞=形容詞・副詞の働きを持つ

つまり不定詞はオールマイティであり,動名詞と分詞は3つの機能を1:2で分かち

合っていることになります。

ここで当然,1つの素朴な疑問が起きます。不定詞がオールマイティであるなら,

動名詞や分詞は不要ではないか?という疑問です。この疑問を裏返して言えば,

たとえば「不定詞も動名詞も名詞として使えるが,両者の間には違いがある」と

いうことです。その違いについては,このあと順次説明していきます。

 

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