分詞は,中学で習う英文法の中で最も難しい項目だと言えます。
その主な理由は,次の3つです。
@
「現在分詞」「過去分詞」という言葉の意味がわかりづらい。
A
現在分詞は動名詞と同じ形である。
B
過去分詞は「完了形」と「受動態」で使う。
これらのうち@Bについては,021
分詞とは を参照してください。
ここでは,Aについて説明しておきます。
たとえば次の2つの文中の reading
は,違う活用形です。
(a) Tom likes reading
novels. (トムは小説を読むことが好きだ)
S
V
O
※ reading=動名詞
(b) Tom is reading
a novel. (トムは小説を読んでいる)
S
V
O ※ reading=現在分詞
(a)は read novels(小説を読む) → reading novels(小説を読むこと)です。
一方(b)は,read という動詞を is reading(現在進行形)にした形です。
これらの文で同じ形が使われているのは,次の2つの歴史的背景があります。
(知らなくてもいいことなので,読み飛ばしてもかまいません)
(1) 歴史的には動名詞は -ing,現在分詞は -ende
という異なる語尾を持っていました。
両者は発音が似ていたので,やがて -ing
に統一されていきました。つまり動名詞と
現在分詞とはもともと別々の語だった,ということです。
(2) 進行形に関しては,上の(b)のような文は,もともとTom
is on reading. (トムは
読書の状態にある)のような形に由来するとされています。この文のreadingは動名詞です。
この文の on が脱落すると,Tom is reading.
という形になります。その結果,reading は
「読んでいる」という意味に解釈されるようになり,「小説を読んでいる」は
reading a novel
と表現できるようになったのです。
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