2014/1/5 up

大人の英文法063−Cの働きをする不定詞  

 

060 不定詞(名詞的用法)の全体像 で説明したとおり,名詞的用法の不定詞はCにもなれます。

 

(1) My dream is to become a professional singer. (私の夢はプロの歌手になることです)

                S        V                            C         

この例のように,S is C.(第2文型)のCとして不定詞を使う形はよく見られます。

ところで,be動詞以外にもSVCの形で使う動詞はたくさんありますね。それらの動詞の後ろには

不定詞は置けないのでしょうか?

(2) He seems to be sick. (彼は病気らしい)

        S      V              C         

この文は,to be を省略して He seems sick. と言うこともできます。He seems sick. はSVCなので,

(2)の to be sick もCだと考えることが一応はできます。しかし,「(2)の文は第何文型か?」と考える

よりも,〈seem+不定詞=〜のらしい,〜のように思われる〉という形を覚えておく方が重要です。

すべての文を5つの文型のどれかに当てはめようとする必要はない,と考えておきましょう。

【参考】(2)の to be sick をCだと考えると,学校で習う文法の説明と不整合を起こします。学校英語では一般に

    「SVCの形の文は,Vをbe動詞で置き換えることができる」と説明しますが,(2)を He is to be sick. と言う

    ことはできません。

【参考】(2)の不定詞は名詞的用法か形容詞的用法か?という問いも,実用上は無意味です。

(3) All I can do is (to) do my best. (私にできるのは全力を尽くすことだけだ)

                 S        V              C              

all で始まるこのような形は,日常的にもよく使われます。この文の直訳は「私がすることのできる

すべてのことは,全力を尽くすことだ」。All の後ろに that(関係代名詞)を補って考えることが

できます。この文では to を省略することができます。S is C. のCが不定詞であるとき,

Sの中に do が含まれていれば,Cの to は省略してもかまいません

(1)ではSに do が含まれていないので,My dream is become a professional singer. とは普通は

言いません。

【参考】Sにdoが含まれていなくてもCのtoが省略されることもあります。

All you need is (to) do your best.(君に必要なのは全力を尽くすことだけだ) 

 

次に,不定詞はSVOCのCとして使うことができるでしょうか?これについては,たとえば

次のような形はあります。

(4) I believe him to be honest. (彼は正直だと私は信じている)

      S     V         O            C         

この文も(2)と同様に to be を省略して I believe him honest. と言えるので(この文はSVOC),

to be honest はCだと考えてもかまいません。ただしここでも,〈believe+O+(to be) C=

OがCだと信じる〉という形を覚えておく方がベターです。

 

 

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