2015/9/5 up

大人の英文法106−関係代名詞の見直し 

 

ここでは,学校で習う一般的な関係代名詞(限定用法)の使い方を,実用面から見直します。

098 の表を再掲します。

 

先行詞が人

先行詞が人以外

主格

(a) who/that

(b) which/that

所有格

(c) whose

(d) whose

目的格

(e) who(m)/that

(f) which/that

 

上の表は,基本的に書き言葉の中での関係代名詞の使い方をまとめたものです。

話し言葉では,次のように覚えておくのが実用的でしょう。

 

先行詞が人

先行詞が人以外

主格

(a) who

(b) that

所有格

(c) なるべく使わない。

(d)なるべく使わない。

目的格

(e)省略する。

(f)省略する。

 

以下はそれぞれの例です。

(a)「私には弁護士の友人がいます。」

I have a friend who is a lawyer.

    △I have a friend that is a lawyer. 

*先行詞が人のときは, that よりも who の方が普通。

(b)「私は植木鉢を売っている店を探しています。」

I'm looking for a shop that sells flowerpots.

    △I'm looking for a shop which sells flowerpots.

*先行詞が人以外のときは, which よりも that の方が普通(口語的)。

(c)(d) 「彼はみんなが名前を知っている会社に勤めています。」

He works for a famous company.

   He works for a company whose name everyone knows. 

*関係代名詞のwhoseを使った文を作ろうとする場合は,「もっとシンプルに表現する

ことはできないだろうか?」と考えてみてください。たいていの場合はそれが可能です。

特に〈物+whose〉の形は嫌うネイティブもいるので,なるべく使わない方が無難です。

(e)(f) 「これはおばが私にくれたバッグです。」

This is a bag my aunt gave me.

   This is a bag that [which] my aunt gave me.

*文の構造をはっきりさせたり,文の読むときのリズムを整えたりするために,

話し言葉でも目的格の関係代名詞をあえて入れる場合もあります。ただし,

上の例のようなシンプルな文では,関係代名詞は省くのが普通です。

ちなみに上の文の新情報の焦点は my aunt だと考えられます。

「このバッグは自分で買ったのではなく(おばに)もらったのだ」と言いたいときは,

I was given this bag by my aunt. と表現すればよいでしょう。この場合は given が

新情報の焦点になるので,これを強く読みます。

*念のため再確認しておきますが,上の文の a は新情報を表す一種の記号であり,

「話し手はおばに2つ以上のバッグをもらった」という前提はありません。

一方,This is the bag my aunt gave me. という文は,「話し手がおばにもらったバッグは

1つだけである」「この文は,そのバッグのことが既に話題に出ている状況でも使えるし,

話を切り出す場合にも使える」と言えます。詳しくは104を参照してください。

 

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