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補足説明用法の関係代名詞の内容をおさらいします。
(a)
I have an uncle who lives in Osaka.
(私には大阪に住むおじが(一人)いる)
〈限定用法〉
(b)
I have an uncle, who lives in Osaka.
(私にはおじが一人おり,その人は大阪に住んでいる)
〈補足説明用法〉
(a)の下線部は前の名詞(uncle)を修飾して[=uncleの意味を限定して]います。
一方(b)ではコンマの前までで意味が確定しており,下線部はuncleに対する補足説明です。
私の説明のポイントは,これらの文の下線部がどちらも形容詞節だという点にあります。
一般に学校英語では,(a)の下線部は(前の名詞を修飾する)形容詞節と説明しますが,
(b)の下線部が何節であるかを明らかにしていません。
学校文法で言う「節」には次の2つの分類方法があります。
@品詞に着目した分類では,名詞節・形容詞節・副詞節の3つ。
A接続詞の機能に着目した分類では,等位節・主節・従属節の3つ。
両者は切り口の違う分類方法なので,接続詞を含む文中の節は@Aの両方の名称が与えられます。
たとえば
The game was canceled because it rained.(試合は雨で中止された)という文の下線部は,
@の分類では副詞節,Aの分類では従属節です。
上記の(b)の文には接続詞がないので,@の分類しか適用できません。しかし下線部が名詞節でない
ことは明らかであり,副詞節でもなさそうです。私の理屈では,これは(補足説明用法の)形容詞節です。
文法参考書の中には,(b)のwhoが
and he で言い換えられることから,(b)の下線部を等位節(に
準ずる)とみなすものもあります。しかし,継続用法の関係詞が作る節をすべて等位節だと考えるのは
明らかに無理筋です。
(c)
My uncle, who lives in Osaka, is
coming to see me.
(大阪に住む私のおじが,私に合いに来る(予定だ))
この文の下線部が等位節でないことは,誰が見ても明らかでしょう。
前置きが長くなりました。要するに言いたかったのは,学校文法で言う継続用法の関係詞節は,
私流の説明では「補足説明用法の形容詞の働きをする」または「『そして〜』の意味を表す」
(副詞あるいは等位節の働きをする)ということになります。これは分詞構文の働きと一致します。
関係副詞の場合で見てみましょう。
(d)
My grandmother was born in 1945, when
the World War II ended.
(私の祖母は,第二次世界大戦が終わった1945年に生まれた)
この文の下線部は,1945年という年に対して補足説明を加えています。つまり,形容詞の
働きです。when
を and then
で置き換えることはできません(それだと祖母が生まれた後で
戦争が終わったことになるので。(d)ではどちらが先立ったかは不明です)。
(e)
This morning I was about to leave, when
the telephone rang.
(けさ私がちょうど出かけようとしていたら,電話が鳴った)
この文のwhenはand
thenで言い換えられます。
学校では(d)と(e)の下線部を「継続[非制限]用法」とひとくくりにして説明しますが,
意味から考えてこれらの下線部の働きは区別する方がわかりやすいと思います。
いわゆる継続用法を持つ関係副詞は
when と where だけですが,whereについても
同じことが言えます。下の例(f)(g)は,それぞれ(d)(e)に対応しています。
(f)
I want to go to Hokkaido, where I spent
my childhood.
(私は子ども時代を過ごした北海道へ行きたい)
(g)
I went to Hokkaido, where I stayed for
three days.
(私は北海道へ行き,そこに3日間滞在した)