2016/3/14 up

大人の英文法114−関係副詞のthat 

 

107で示したとおり,(限定用法の)関係副詞には次の4つがあります。

先行詞 

場所 reason (なし)

関係副詞

when where wwhyhy how

言い換え

at [in] which

that

at [in] which

that(制約あり)

wfor which

that

the way (that)

the way (in which)

 

ここでは,赤字で示したthatの用法を確認します。ポイントは次の2つです。

@when・whyの代わりにthatを使うことは基本的にセーフ。

Awhereの代わりにthatを使うことは基本的にアウト。

107で挙げた例文で考えてみます。

(a) 1945 is the year when [that] the war ended.

(1945年は戦争が終わった年です)

(b) This is the hospital where [×that] I was born.

(ここは私が生まれた病院です)

(c) Tell me the reason why [that] you refused the offer.

(あなたがその申し出を拒否した理由を私に教えてください)

(a)(c)のように,whenやwhyはthatで言い換えることができます。

しかし(b)のwhereをthatで置き換えることはできません。(理由は後述)

ただし,where の先行詞が place またはsome[any, no, every]where のときに限り,

whereの代わりにthatを使うことができます。

 したがって次の文は可能です。

(d) This is the place where [that] I was born.

(ここは私が生まれた場所です)

それを念頭に置いて,「ここは私が生まれた家です」をいくつかの文で表現してみます。

@This is the house I was born in. (これが最も普通の形)

AThis is the house which I was born in.

BThis is the house that I was born in.

CThis is the house in which I was born.

×DThis is the house in that I was born in.

EThis is the house where I was born.

×FThis is the house where I was born in.

×GThis is the house that I was born.

×HThis is the house I was born.

Dはin thatが不可。Fは文末のinが不要。そしてGは,これを正しいと認めてしまうと,

BとGの両方が正しいことになってしまい,文法的なつじつまが合わなくなります。

なぜなら,Bではthat=which,Gではthat=whereだから,三段論法によって which=where

という関係が成立してしまうからです。それではまずいから,Gの形は誤りなのです。

同様に,Hのようにwhereを省略した形も誤りです。

Hが正しいと認めると,@とHの両方が正しいことになって具合が悪いからです。

whenやwhichの先行詞にこのような制約がないのは,when・whichにはBの形,つまり前置詞を

後ろに置く形がないからです。上の@〜Hに対応する形をwhenの場合で見てみましょう。

×@ 1945 is the year the war ended in. (これが誤りである点に注意)

×A 1945 is the year which the war ended in. 

×B 1945 is the year that the war ended in. 

C 1945 is the year in which the war ended.

×D 1945 is the year in that the war ended.

E 1945 is the year when the war ended.(これが最も普通の形)

×F 1945 is the year when the war ended in.

G 1945 is the year that the war ended.

H 1945 is the year the war ended.

ごらんのとおり,Gは正しくてBは誤りです。だから上の赤字とは違って,which=when と

いう関係が成立する余地がありません。だからGは正しいのです。

一方whenを省略したHが正しいのは,「Hが正しい代わりに@は間違い」であるからです。

whereでは「@が正しくHは間違い」なので,ちょうど逆の関係と言えます。

同じ理屈は why にも言えますが,説明は省きます。

 

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