114
関係副詞のthat
で示した例について,読者から「関係副詞の省略のルールがよくわからない」という質問がありました。
これについては,次のようにまとめておきます。
・
where :原則として省略できない。ただし先行詞がplaceのときは省略できる。
・
when : 省略できる。
・
why:省略できる。
※howは単独で使うので省略できません。
why
については,「the reason why の why
は常に省略可能(またthe reason
を省略することも可能)」と考えてかまいません。
ここでは,where
と when について詳しく説明しておきます。
まずwhere
から。114 では,次のように説明しました。
where
の先行詞が place(またはsome[any, no, every]where)のときに限り,whereの代わりにthatを使うことができる。
ここでは説明を簡略化するために,「the
place where は the place that
で言い換えられる」と考えてください。
一般に that
は,関係代名詞であれ関係副詞であれ(あるいは接続詞であれ)省略可能です。
だからthe
place that のthatは省略可能であり,その言い換えである the
place where の where も省略可能です。
the place
where の where が省略できるのは,where の中に place
の意味が含まれているからです。
次にwhenです。114で挙げた例を,少し形を変えて再掲します。
@×(a)
1945 is the year which [that]
the war ended in.
×(b) 1945
is the year the war ended in.
A○(a)
1945 is the year when [that]
the war ended.
○(b) 1945 is the year the
war ended.
ここで,「@(a)はなぜ間違いなのか?」という疑問を持たれる方もおられるでしょう。以下の説明を参照してください。
まず,「@(a)は正しい」と仮定します。
一般に目的格の関係代名詞は省略できるので,@(a)が正しければ@(b)も正しいはずです。
一方,A(a)は正しい文です。そして最初に述べたとおり関係副詞の
when は基本的に省略できるので,A(b)も正しい文です。
つまり「@(a)は正しい」と仮定すると,「@(b)もA(b)も正しい」ことになります。
両者の違いは文末の
in の有無だけですから,「@(b)の in
は省略できる」という結論が導かれます。
しかし,一般に
in the year とか in 1945 のような形の in は省略できません。
つjまり,「@(b)の
in は省略できる」という結論は間違っています。
なぜ間違っているのか?それは,「@(a)は正しい」という最初の仮定が間違っていたからです。
よって,@(a)は誤りです。論理学で言う背理法の応用ですね。