2017/2/12 up

大人の英文法126−第4文型(SVOO)〈基本〉 

 

中学で習う第4文型の典型的な文は,次のようなものです。

(a) My aunt gave me a bag.    (おばは私にバッグをくれた)

           S          V      O     O

(b) My aunt bought me a bag.    (おばは私にバッグを買ってくれた)

           S            V        O     O

高校では,次のような「第4文型と第3文型の書き換え」を学びます。

(a') My aunt gave a bag to me.    (おばは私にバッグをくれた)

           S          V        O     修飾語(副詞句)

(b') My aunt bought a bag for me.    (おばは私にバッグを買ってくれた)

           S           V           O     修飾語(副詞句)

学校ではたいてい(a)=(a'),(b)=(b')と教えますが,それは乱暴な説明です(詳細は後述)。

まず,(a)(b)のようなSVOOの一般形を示しておきます。

S + V + O1 + O2 

= SはO1にO2をVする[してやる]

以下は参考までに。(→079 格とは

・O1に置かれる名詞・代名詞の形(格)=対格(「〜に」)

・O2に置かれる名詞・代名詞の形(格)=与格(「〜を」)

対格と与格は,昔の英語では違う形を使っていましたが,今日では目的格に一本化されています。

現代英語では,O1を間接目的語,O2を直接目的語と言います。

多くの場合は「O1=人」,「O2=物」ですが,必ずしもそうではないこともあります。

(c) He sent the company a letter of credit. (彼はその会社に信用状を送った)

*O1(会社)は「人」ではない。

 

◆ give型の動詞とbuy型の動詞

(a')(b')からわかるとおり,〈S+V+O1+O2〉のO2を前に出すと,後ろが〈to+O1〉または〈for+O1〉になります。

前者をgive型,後者をbuy型と呼ぶことにすると,両者に属する主な動詞は次のようになります。

・give型〈toを使う〉:「(人)に対して〜する」という意味を表す。

give(与える,あげる),lend(貸す),pay(支払う),sell(売る),

show(見せる),teach(教える),tell(言う,伝える),write(〈手紙を〉書く)など

・buy型〈forを使う〉:「(人)のために〜してやる」という意味を表す。

buy(買ってやる),choose(選んでやる),cook(料理してやる),

find(見つけてやる),get(手に入れてやる),make(作ってやる)

もう少し簡単な見分け法としては,次のように覚えておいてもかまいません。

・give型の動詞は,相手を必要とする行為を表す。

・buy型の動詞は,1人でもできる行為を表す。

たとえば「与える」という行為には相手が必要ですが,「買う」という行為は1人でできます。

なお,上のリストを見てもわかるとおり,SVOOの形で使える動詞はほぼ中学レベルの基本語に限られます。

たとえばbuyの同意語にpurchase(買う,購入する)がありますが,(b)のboughtをpurchasedに置き換えることはできません。

×(d) My aunt purchased me a bag. 

(d') My aunt purchased a bag for me

 (おばは私のためにバッグを買った)

purchase はもともとフランス語からの借用語です。

フランス語などラテン系の言語にはSVOOの文型がないので,(d)のような言い方はできません。

(詳細は「英語のしくみ」で説明しています)

 

◆ 「人」を前に置くか後ろに置くか

(a)(a')を再掲します。

(a) My aunt gave me a bág.    (おばは私にバッグを(1つ)くれた)

(a') My aunt gave a bág to .    (おばは私にバッグを(1つ)くれた)

結論を言えば,このケースでは(a)の方が自然な文です。(b)はあまり使わないでしょう。

文末焦点の原理(→003)によって,(a)では文末のbagが,(b)でも文末のmeが情報の焦点になります(強く読みます)。

しかし(a')ではa bag も新情報と解釈されるので,1つの文中に新情報が2つあることにあります。

後述のような状況を想定すれば(a')は可能ですが,次の文と比較すればわかりやすいかもしれません。

(a") My aunt gave the bag to .    (おばはその私にバッグをくれた)

自然さの度合いを比較すると,(a")の方が(a')よりベターです。

(a")は「おばがそのバッグを与えた相手は誰かと言えば,それは私だ」というわかりやすい意味です。

一方,(a')が使われる状況としては,たとえば「おばはいくつかの異なるプレゼントを私を含む複数の人にくれた。

そして,私にはバッグをくれた」という状況が考えられます。

このような意味の違いから,一般に次のように言われることもあります。

第4文型(人+物)と第3文型(物+to/for+人)の両方の形が使えるときは,

第4文型を使うことが多い。

しかし,この言い方は正しくありません。

正確に言うと,次のようになります。(上で説明した文末焦点の原理から)

・「物」が新情報の焦点なら,第4文型(人+)を使う。

・「人」が新情報の焦点なら,第3文型(物+to/for+)を使う。

 

次の4つの文で確認してください。aは新情報,theは旧情報のマーカーなので,下線部が新情報です。

新情報を文末に置く文の方が自然だということです。

(e) I'll buy him a shirt.   (彼にシャツを買ってあげよう)

     I'll buy a shirt to him.

(f) I'll buy John the shirt.   (そのシャツはジョンに買ってあげよう)

     I'll buy the shirt to John.

なお,034 文型と受動態 も参照してください。

 

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